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呼吸が乱れながらも冬美は微かな声でそいつに問う。
「あ、あなた一体何者? 死神なの?」
「死神って、俺はそんな大それた者じゃないさ」
「じゃ此処で何してるのよ?」
「魂をさ集めてるんだよ」
「魂を集めてるですって?」
そう言ってそいつは壺を傾けた。
そこには死者達の霊魂が大海原に呑まれ、もがき苦しんでいるようだった。
「どうだ俺のコレクションは?」
「何の為に! 何の為に死者の魂を集めたりするのよ?」
「あのなぁ、天国も地獄もこのままいけば定員オーバーになっちまうんだよ。お前みたいな奴が霊を次々に捌きやがるから」
「捌くって!? ふざけないで!」
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