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『ねぇ、クラウス』(*3リュカ)
高い丘に、お母さんのお墓があるんだ
隣には、お母さんが大好きだったひまわりが沢山咲いていて
真っ青な空があって
風が、僕の顔を撫でていった
ねぇ、お母さん
クラウスは、ドコにいるの
『リュカは来るな、僕一人で行く』
あの時、どうして止められなかったんだろ
僕だって、本当は行きたかった
お母さんの仇をとりたかった
でも………
ねぇ、お母さん
ドラゴは、どうしてあんな事になってしまったの
あんなに、仲良しだったのに
村の人達や、僕達が嫌いになったのかな
ねぇ、クラウス?
僕達、楽しかったよね?
喧嘩ごっこも、探検も
かけっこも、かくれんぼも
お母さんが居て
お父さんが居て
ボニーが居て
おじいちゃんが居て
友達が居て
村の人達が居て
ねぇ、クラウス
ねぇ………
僕は、どうすればいい?
「……ドラゴ……」
「……グッ……ルル……ル…」
「キューッ!!キューッッ!!!」
大怪我をしたドラゴ
それを守ろうとする赤ちゃん
それを見て、僕はお母さんとクラウスを思い出した
「……大丈夫だよ」
「……ル……ル…ルル……」
持ってきた救急箱で、ドラゴの怪我を手当てした。
とにかく、今は必死で、必死で
「………大丈夫」
ねぇ、クラウス
今、ドコにいるの?
ねぇ、クラウス
また、一緒に遊ぼう
ねぇ、クラウス
僕、強くなるから
ねぇ、クラウス
僕は、ドラゴと共に村へと向かった
End
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