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「黙ってても解ってるわよ。
気になるんでしょ」
綾は俺の胸に体を押し当てたまま喋る。
もうチクチクも我慢の限界だ。
「ちょっと待ってて」
綾はそう言うと、俺の返事も待たずベッドの中へと潜っていく。
俺は綾の不可解な行動を見送りながら、次の行動を待ち続けた。
「武にさっき、私と美咲どっちを愛してるって質問に答えられなかったのって、もう答えが決まってたからでしょ?」
ベッドの中で、潜もった声が聞こえてくる。
「だって……だって…」
そんな声が聞こえてくると、ベッドの中心が徐々に盛り上がっていく。
綾ってそんなに声低かったっけ?
「meを愛してるからに決まってるよNe!?
TAKERUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUU!!!!!!」
突然布団がぶっ飛ぶと、そこに立っていたのは、胸毛モジャモジャな奴が居た。
「うわぁぁぁぁあ!?」
俺は人生で四番目ぐらいに必死で叫んだ。
そしてその弾みでベッドから落ちた。
痛い、痛いのに夢から覚めない。
「はぁはぁ………TA…TA…はぁはぁ…TAKERU……戻ってきたアルYO…はぁ」
「はぁはぁ五月蝿い、疲れるぐらいなら叫ぶな。
戻ってきたのはどこからだ?中国かアメリカか?どちらか一つに絞れ。
最後に……胸毛増えすぎててキモい」
おかしい、奴は美咲に抹殺された筈なのに。
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