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「TAKERUさん、TAKERUさん」
胸毛が通常時の三倍に増えたポールが呼び掛ける。
「とりあえず服を着ろ!」
ポールはベッドの上で仁王立ちをしながら、床に座り込んでいる俺を見下ろしている。
もちろん全裸で。
「嫌ぁ!だって妖精は服なんて着ないもん!」
もんとか言うな、気持ち悪い。
俺もこの、下水道の汚物の様なゲロ野郎の扱いにも慣れてきたのか、あくまで冷静な態度で奴と向き合う。
「お前が何故生き返ったかは聞かないが…」
「ちょっ!?聞いて!そこは聞いて!!
一番気になるドキドキポイントでしょ!」
ドキドキポイントはお前の胸毛だよ。
「お前が現れるって事は、今も夢の中だって事だよな?」
「冷静?ちょっとTAKERUさん冷静すぎアルよ!
一人だけ浮かれてるみたいじゃん!」
全くその通りだよ。
お前みたいに下水道のおぶ……長いしゲロでいいや。
「いいから、さっさと答えろ、ゲロ」
「ゲロ?何で私の名前がゲロになってる訳?
もぅ超訳分かんなぁい!
私の名前はポォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォルよ!ハァハァハァ…」
やりきった顔して、親指立ててんじゃねぇよ。
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