許嫁な奥様

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「武さん、武さん!」 ゆさゆさと体を揺さぶられる。 「ん……」 「武さん、大丈夫ですか?」 名前を呼ばれて目を開けると、そこには相変わらず超絶美人の美咲が居た。 「大丈夫ですか?凄くうなされてましたけど…」 俺の枕元の横に膝を着きながら、美咲は俺のおでこを軽く触った。 「酷い脂汗ですよ」 「ほ、本当だ……」 美咲に言われて布団を捲ると、顔だけじゃない、全身汗だくになっていた。 もう、今この姿を他の人に見られたら、オネショしたと勘違いされるぐらい布団が濡れている。 全ては…………奴か。 「武さん大丈夫ですか? 悪い夢でも見ましたか?」 上半身を起こした俺に向かって、美咲は心配した様子で尋ねる。 「いや、ちょっとね。 久々に怖い夢を見て」 「ふふ…武さんも可愛いですね。 怖い夢を見るなんて、まるで小さな子供みたい」 そう言って微笑む美咲を見ると、案外悪夢を見て得もしたなと思った。 ありがとう、ゲロ…ポーちゃん。 「起きれますか? 朝御飯の支度が出来たんですけど、先にお風呂に入った方がいいですね」 「ああ、そうするよ」 俺はベッドから起き上がると、美咲と一緒に部屋を出た。
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