深まる夜を越えて

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美咲の携帯に電話をかける。 耳元では、コール音が一定のリズムで流れて続けている。 「も、もしもし美咲っ」 “留守番電話サービスにお繋ぎします” 通話に切り替わったと思ったら、留守番電話だった。 少し落胆しながら、通話を切る。 おかしい、美咲ならもう起きてる筈なのに、この時間なら。 携帯のディスプレイに表示されている、デジタル数字を見つめる。 家の方なら出るかな。 気を取り直して、自宅の電話機の方へ掛け直す。 “ピーと言う発信音の後にメッセー……” 結果は同じだった。 どう言う事だ…? 俺の中に疑問が浮かぶ。 あの美咲が…まさか。 まさか、俺の居ない間に。 美咲について、いろいろ考える。 そして俺の導き出した答えは。 美咲は俺の想像を遙かに超えるぐらい、怒っていると言う事か。 このままでは、我が身が危うい。 時間を見ると、もう直ぐチェックアウトの時間が迫っていた。 俺は慌てて帰り支度を済ませると、そのまま部屋を出た。 帰りに美咲にお土産を買って帰って機嫌をとろう。 俺はそんな楽観的な考えで部屋を出た。 まさか、美咲に限ってあんな事をするなんて、知る由も無く。
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