01.光が舞い降りる日

10/17
前へ
/43ページ
次へ
「離して!ユタが危ないんだ!!」 泣き叫ぶ少年の放った言葉に含まれた『ユタ』という単語に疑問を感じたハジメ。 「ユタって……君のペットかい?」 「僕の家族なんだ!!離して!!」 「待った!」 ハジメは少年を自分の方に向かせると、少年と同じ目線になるまで体を低くした。 「SAGAの隊員の誇りに掛けて、君の家族は俺が助ける!」 「…本当に?」 「ああ、約束する!」 数分の沈黙。 「…あそこ」 少年は赤い屋根の家を指差した。 「…分かった。だから早くシェルターに!!」 「うん!」 少年は涙で濡れた顔を腕で拭い去り、シェルターへ向かって走り出した。 「…よし!」 頬を叩いて気合いを入れたハジメは、家に向かって走り出した。
/43ページ

最初のコメントを投稿しよう!

42人が本棚に入れています
本棚に追加