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「離して!ユタが危ないんだ!!」
泣き叫ぶ少年の放った言葉に含まれた『ユタ』という単語に疑問を感じたハジメ。
「ユタって……君のペットかい?」
「僕の家族なんだ!!離して!!」
「待った!」
ハジメは少年を自分の方に向かせると、少年と同じ目線になるまで体を低くした。
「SAGAの隊員の誇りに掛けて、君の家族は俺が助ける!」
「…本当に?」
「ああ、約束する!」
数分の沈黙。
「…あそこ」
少年は赤い屋根の家を指差した。
「…分かった。だから早くシェルターに!!」
「うん!」
少年は涙で濡れた顔を腕で拭い去り、シェルターへ向かって走り出した。
「…よし!」
頬を叩いて気合いを入れたハジメは、家に向かって走り出した。
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