10人が本棚に入れています
本棚に追加
そしてルイがまた現れた。『お父さんゲームしないの』って。旦那は『分かった、分かった』『今から行くから』って言って部屋を出た。その時ルイの姿は昔の自分に似ていた。本当なら、俺が親父だったはず。
今から6、7年前に俺が晶子に『産め』って言ってれば。あの時その一言があればルイは俺を『パパ』って呼んでくれたと思う。俺は馬鹿だな。『今もしルイに俺がパパなんだよ』って言っても俺の一言でルイが困る事は間違いない。
子供が訳わからなくなるだろうし。流石にそれは言えなかった。
ルイは旦那とゲームして晶子は子供の面倒を見ていた。本当幸せな家庭。晶子が何寄り望んだ家庭。俺は晶子の顔を見た。晶子はそれに気付いた。晶子は笑った。俺はそれを見て思った。『今のまま永遠に続いてれば良いな。本当このまま幸せな家庭で居てな』って心の中で思った。
そろ、そろ帰る時間が来た。
俺は旦那に『どうもお邪魔しました』って言った。旦那は『またいつでも来て下さい』って言ってきた。
晶子が玄関先まで見送りに来てくれた。
最初のコメントを投稿しよう!