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ハシモトの妹は兄同様に東南アジア系の肌色をしていましたが、大人しくじっと兄の帰りを廊下で待っていました。
その姿が愛らしく、結局、担任の配慮で教室に机と椅子を一つ増やして授業を見学していました。
そんなある日ハシモトの妹がウサギ小屋に入ってウサギを撫でているのを誰かに目撃され、しばらく後にウサギ小屋のうさぎが全部消失しました。
私はハシモトが一枚この事件に絡んでいるのではと思いました。
ハシモトに聞いてみるとあっけらかんと
「後ろ足で妹を蹴った。だからころして何が悪い?」
「ハシモト!
お前の所行!
悪いが先生に通報するぜ。
お前のやり方についていけん。」
「ご勝手に」
私はハシモトがウサギを殺し自宅の裏庭に首を刎ねて晒していることを伝えました。
担任は愕然としながらも確認のためハシモトの家の裏庭に行き、首を刎ねられたウサギが綺麗に一列に陳列しているのを目撃しました。
ハシモトは担任に呼び出され職員室に連行され事情聴取を取られました。
ハシモトはなんら悪びれた様子もなく、妹を蹴ったから皆殺しにしたと淡々と報告したそうです。
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