大名

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勝家・・・「そちは正気か? 駿河、遠江を攻め取るのは簡単じゃが、すぐにでも武田、北条が攻めてくる。」 正幸・・・「はっ。それ故志願しました。 そうでもしなくては、我が真田の疑いは晴れぬと思い。 攻められ続けられて動きの取れない者を、誰も疑いますまい。信長様もきっと解ってくれるでしょう。」 長秀・・・「そこまで考えていたのか。そちの忠義アッパレじゃ。」 正幸は兄弟達には、威勢のよい事を言うてきたが、実は一番危険な選択をしたのだ。 このまま歴史通り歩んでも良かったが、出世をすればするほど藤吉郎の策謀にはまる。 まんがいち、家康を討ち取る迄に浪人になってしまう可能性も出てくるからだ。 悔しいが正幸より藤吉郎の方が、信長に信用されているのが今の現状なのだ。 利家・・・「そこまで気にする事かの~?」 勝家・・・「よいか。先の戦でも藤吉郎はここまで動いたのだ。この先、正幸が手柄を立てたら立てる程あらゆる手を使うだろう。だからというて駿河攻めとは・・・・。」
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