大名

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清洲を出て尾張国境に付いた正幸達は思わぬ者から出迎えを受ける。 真田正幸殿とお身受けいたす。それがしは三河国国主・徳川家康と申す。 この家康。小数にて今川との決戦を、覚悟なされた真田殿の心粋に感服致した。まさに武士の鏡。 遠江までの道案内はそれがしが致しましょう。 正幸・・・「(こいつが家康!白々しい言葉を吐きよって。歴史通りタヌキだな) 国主殿自ら道案内とは痛みいる。 (我等を観察しにきよったか。徳川家康さすがじゃ。試してみるか) 正幸・・・「ありがたい事ですが、御当主様に何かあるといけないので城にお戻りになられませ。信長様に叱られますので。」 家康・・・「そちらの都合も考えんと、でしゃばり過ぎました。それでは御武運を」 正幸・・・「はっ。いずれまた」 才蔵・・・「家康殿は何をしにきたのでしょうか?アッサリ帰ってしまわれたが。」 正幸・・・「我等を警戒して見に参ったのじゃ。我等の駿河攻めが成功したら、背後をつかれるからな。まあ、信長様から頼まれたのであろう。我等の監視を。」 才蔵・・・「まるで謀反人扱いですね!(怒)」 正幸・・・「まあ落ち着け。まずは駿河を手にしてからじゃ。」 一方城に戻った家康は・・・・。
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