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正幸･･･｢だが、一つだけ史実とは違う所がある。
武田家と縁組し同盟をしておらん。
喜助に調べさせたが、今だ動きがない。
信濃から美濃に攻める事が出来るが、信長様が京に上る時武田は動かなかった。
敵国なれば攻め時のはず。それを見逃したとなれば裏でよしみを通じてる可能性がある。｣
昌秀･･･｢ですが、同盟の証としてお互い人質を出すか、何らかの証が必要です。織田と武田の間には何もありません。同盟とは考え憎いのでは？。｣
正幸･･･｢確かにそちの申す通りじゃが。不思議でならん。
我等が駿河を奪ってから、北条からは何度も戦を仕掛けて来たが、武田からは一度も侵略を受けていない。
これも不思議じゃ。
紀蔵の手の者の知らせでは、畿内で居る織田家中の者共はもはや我等を同士として見ておらぬようじゃ。｣
村昌･･･｢すなわち、我等をお見捨てになられたのか？信長様は。｣
昌秀･･･｢信長様にとって遠江、駿河の田舎よりも天下を望んでいる。信長様の力が大きくなった今、もはや我等はお役御免といった所でしょう。｣
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