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正幸が思案していると紀蔵も帰ってきた。
紀蔵･･･｢只今戻りました。｣
正幸･･･｢ご苦労。で状況は？｣
紀蔵･･･｢はっ。武田軍は30000の兵で二俣城を囲みこれを落城。勝鬨もあげず掛川城に進軍中。｣
紀蔵の報を聞き、一同驚きを隠せない。
正幸｢30000とな。徳川は少なく、武田はほぼ全軍。ますます解らん。他に何か変わった事は無かったか？｣
紀蔵･･･｢織田軍、武田軍、双方士気が低く、戦う気配は無かったように見受けられます。信玄自らの出陣で、諸将も皆出陣致してあの士気の低さは不気味です。それと・・・。｣
正幸･･･｢なんじゃ？申せ！｣
紀蔵･･･｢真田幸隆殿以下、真田の者は誰一人いてませんでした。｣
正幸･･･｢武田領の留守居役であろう？｣
紀蔵･･･｢いえ。留守居役は海津城城主高坂昌信殿です。不審に思い調べました所、遠江侵略前夜、真田一族は幽閉されたとの事。｣
正幸･･･｢何故じゃ？幸隆殿と言えば、信玄より絶大な信頼を受けてると聞く。｣
紀蔵･･･｢武田領には甲賀忍が多く、それ以上の情報を得るのは無理でした。｣
正幸･･･｢（幸隆殿・・・。）忍を引き連れ調べてくれ｣
紀蔵･･･｢はっ。｣
紀蔵は50名の手の者を連れ甲斐へ向かった。
昌秀･･･｢殿。徳川は心配ありませんが、武田には警戒した方が宜しいかと。｣
正幸･･･｢うむ。慶次、直親、孫一、そち達はすぐさま出陣し、花沢城へ迎え。｣
一同･･･｢はっ。｣
3将は花沢城に向け出陣した。
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