プロローグ

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新春。 肌にあたる風は日に日に暖かくなり、積もりに積もった純白の積雪は溶け、清水となり自然に還る。 春というものは、この地球。そして地球に住む人間達に温もりを、それでいて何らかの期待を与える季節であると言える。 もうしばらくしない内に新学期だ。 それと同時に、少年は晴れて高校二年生になる。 今年から入る新入生達は、中学生から高校生になり、高校の制服を身に纏い、きっと心を高鳴らせている事であろう。 後輩が出来るという事もあり、自らも複雑な気分になる。 そして彼らは、光ある未来をたどって行くのだ。 だがこの少年の未来は、まるで真っ暗だった。 それには、ある理由がある――。
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