2.肉体の死と存在の死

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大切な幼馴染を失い、マスコミの中傷を受け、俺の言葉に、先輩は、心を病み… 未来を見る事を止め、過去ばかりを見ていて… 学校帰りに、先輩は…車に撥ねられて入院した。 そして、先輩は大きく変わった… 未来を見ず、過去しか見ていなかった先輩は… 彼女の事しか考え切れなかった先輩は…… 交通事故の後、幼馴染を…… 彼女を忘れた。 医者が言うには、記憶障害の一つだと言うが… 幼馴染の存在は、先輩の心を傷つけることしか出来ない存在になってしまったから、 誰も彼女のことは言わなかった…… 思い出させようともしないかった… きっと、皆も彼女の事を忘れたかったのだろう…… あの忌まわしい事件と一緒に… だから、先輩が彼女を忘れたのを、きっかけに自分たちも忘れようと… そうやって彼女の存在は忘れ去られていった…… あんなに騒いだマスコミも、既にこの事件は過去のもので、記事にする事もなく… 自分たちの記事のせいで、人が病んだ事も気にもせず、 世間からも、彼女は忘れ去られた……
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