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彼女は、顔を俯ける…
「人の良い先輩だったけどさ、あんな死に方するなんて、辛いだろうけど」
それ以上言わせては、いけない…
俺の中で誰かが警告する…
「犯人は誰なんだろうな、あんな殺され方が、身近で起こるなんて…初め…」
彼女が、言葉を遮るように、相手の男の顔を叩いた。
「うるさい…うるさい…黙って…」
叩かれた人は、何が起きたかよく解らず、叩かれた頬を押さえ…理解した!!
「慰めているのに!!何だ!!オレの顔を叩きやがって!!」
彼女の腕を掴んで引き寄せ、その顔を殴ろうとする…
危ない…俺はそう思ったとき…体が動いていた…
顔面に、衝撃が、視界には閃光が走る…
ああ、どうやら俺が殴られたようだ。
「お前が、急に飛び出してきたから…俺が悪いんじゃないんだからな!!」
急に出てきた俺を殴って、ビビリが入る男を見て、俺は呆れた…
この人は先輩の友人じゃない…
先輩の友人なら、こんな事をする奴はいない…
だから、この人は、先輩の友人と言うよりも、知人だったのだろう…
そう考えた俺は、俺を殴った奴の顔を睨みつける…
「悲しい事があったばかりに、情緒が不安定になった女の子を殴ろうとするなんて…最低だな」
俺は、口の中に広がる懐かしい味に眉をひそめ、襟首を掴んで顔に引き寄せると…
「いくら、先輩の知り合いだからと言っても、次、この子に涙を流させてみろ…全力で潰すぞ」
そう言いきり、押し飛ばした
「くそっ…気取りやがって…」
無様に倒れた男は、立ち上がりながら、つまらない捨て台詞を残して、走り去るのを見送ると…
殴られた頬に手を当て屈み…
「いっ痛ぇ~「きゃぁ」~」
空を見て大声を上げ…きゃぁ?
俺は…恐る恐る…後ろを振り向く…
そう言えば、俺は先輩の妹さんを庇うようにして…
前に出たから…
屈んで天を見れば…
俺はすぐに距離を取った
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