5.恥は掻き捨て、世は情けない

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「雅継さん、助けに着たわ」 ガントンファーを構えている母さんを見て…親父は… 「春夏…僕の為に…こんな所まで…」 悔しそうに、親父は顔を俯けるが… 母さんは、そんな親父の頬を叩き、両肩を掴んだ 「貴方は独りじゃない… 一人だと困難な事でも… 私たち二人なら、困難じゃない!!」 母さんの激励で親父の目に、何か力が蘇るのを、ゲーム越しに感じた。 そして、雑魚が一掃された為か、親父たちのいるステージが暗くなる… そして画面が明るくなったとき、母さんたちの前に、巨大な筋肉の塊の様な人物が立っていた。 「よくぞ、ここまで来られたものだな、雅継と春夏よ… たった二人で我が前に来るとは…」 どうやら、ボス戦のようだ… ボスが、一歩、二人に近づこうと足を動かした瞬間… ボスが武器を落とした!? ボスの背後には母さんが…いつの間にか居て、ガントンファーでボスの腕に連撃を叩き込んで… そのまま、足の関節を叩きボスはorzの形で倒れると… 親父が…ボスの頭に銃を押し付けていた… 「そう、二人なら…僕たち(私たち)の敵じゃない」 二人して、自分たちに酔いしれたようにそう言う… 「ひっ…卑怯者!!いきなり襲ってくるとは…」 ボスは、この二人の行いに、率直な感想を口走ると… 親父は、容赦なく銃を発砲した… それから、ボスは2、3回変身し、何度か、瀕死のピンチをボスは乗り越えてきたが、 結局…撃滅された… 鬼だ… 俺たちは…きっと、この時…心を一つにしてそう考えただろう。 だが、ゲームが終了し観客と化していた人ごみは、まるで、俳優に会うのを楽しみにしている。 ファンのように… ドームから出てくるプレイヤーを待っていた。 どんな人なのだろうかと、観客は思っているだろう…
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