5.恥は掻き捨て、世は情けない

6/6
前へ
/266ページ
次へ
一人目のプレイヤーがドームから出てきた。 黒い長髪の髪をなびかせながら、黒いスーツを着た20代後半くらいのクールな男が出て… その背後から、ポニーテールの10代後半くらいの女の子が、長髪に甘えるように抱きついていた。 長髪の男が、俺に気づく… 「あっ雅春」 長髪の男(親父)が、人懐っこそうな声で俺の名を呼び、俺のところ来る そして… 「あら、雅春じゃない、こんな所になんでいるよ?」 俺と同い年ぐらい容姿の母が、意外そうな顔をして、俺に話しかけてきた。 「なにやっているんだよ!!親父も母さんも… あのメールで家族を増やす為に頑張っているって…」 俺のこの不用意な発言に、周りの観客がざわめく… 「こんな人前で、何を言っているの!」 親父が、顔を赤く恥ずかしそうに、俺を睨む 「人のことを考えずに、そんな卑猥な事を言うなんて… 誰に似たのかしらね?」 たぶん、あんたです母さん… とりあえず、今日は恥ずかしい事に会いまくっているから、 俺は、親父と母さんの手を掴むと、ゲームセンターから出て問い詰めようとしたが… 「なんで、「ごめん!!雅春、今から春夏さんと一緒に行かなきゃいけないことがあるんだ!!」」 親父が、俺の手を解くと…母さんの手を掴んだ 「5時までには家に帰るから、じゃあ、お父さん頑張ってくるからね!!」 「上手くいけば、4人家族よ!!」 そう言うと、親父たちは、走り去った… 街中で…さっきの発言を聞いた人たちが、 俺の方をチラチラ見てくる… 母さん…さっき俺に言った言葉を…貴方に返そう 母さん100%貴方たちです…。
/266ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27人が本棚に入れています
本棚に追加