0.無名の都市伝説

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辺りを見回す…何も居ない… 誰も人が居ない ああ、やっぱり、ただのデマっと言うよりも、 そんな話を信じた俺が馬鹿か… 俺は石を川へ投げ捨て、涙を零す… もう彼女の為に泣くのはこれで最後にしよう… 俺は、涙を拭き、鉄橋を渡りだそうとした時、鉄橋の真ん中辺りに濃い霧が…出来ていた。 とても濃い霧で端の向こうが見えない… なんだ!?夕方に霧?って言うか… そんな部分的に出来るものなのだろうか? その霧の向こうから…誰かの足音が聞こえた… そして、その霧から…顔が現れる… それは… 忘れもしない…大切な人… 俺は喜び、その人に近づく!! ああ…本当に在ったんだ!!あの伝説は!! 俺は、両手を上げて… 後もう少しで…抱きしめることが出来ると… そのとき…ふと、気づく… 霧の向こうの夕日がうつすシルエットに… それは… その人は、何かを振り上げている体勢… 疑問になって、立ち止まった俺の目の前を… 何かがすり抜けた… それは…斧… その人は、俺に笑いかけながら、 霧の中から姿を現した…
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