27人が本棚に入れています
本棚に追加
/266ページ
辺りを見回す…何も居ない…
誰も人が居ない
ああ、やっぱり、ただのデマっと言うよりも、
そんな話を信じた俺が馬鹿か…
俺は石を川へ投げ捨て、涙を零す…
もう彼女の為に泣くのはこれで最後にしよう…
俺は、涙を拭き、鉄橋を渡りだそうとした時、鉄橋の真ん中辺りに濃い霧が…出来ていた。
とても濃い霧で端の向こうが見えない…
なんだ!?夕方に霧?って言うか…
そんな部分的に出来るものなのだろうか?
その霧の向こうから…誰かの足音が聞こえた…
そして、その霧から…顔が現れる…
それは…
忘れもしない…大切な人…
俺は喜び、その人に近づく!!
ああ…本当に在ったんだ!!あの伝説は!!
俺は、両手を上げて…
後もう少しで…抱きしめることが出来ると…
そのとき…ふと、気づく…
霧の向こうの夕日がうつすシルエットに…
それは…
その人は、何かを振り上げている体勢…
疑問になって、立ち止まった俺の目の前を…
何かがすり抜けた…
それは…斧…
その人は、俺に笑いかけながら、
霧の中から姿を現した…
最初のコメントを投稿しよう!