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「それでさ…親父…部屋は、どうなるんだ?」
やっと、落ち着いた親父たちに俺は尋ねた。
家に、人が一人増えても大丈夫なスペースは…一つしかないが…
「あの…私はどの部屋でも…御世話になる身ですし…」
冥乃ちゃんが、おどおどしながら、親父たちにそう言うが、
その様子に、母さんは…身を震わせながら…
「健気よ!!この子…可愛すぎるぐらい健気な子よ!!」
と冥乃ちゃんに抱きついた。
そして、親父は、慌てている冥乃ちゃんに、
「今日は、客間を使ってもらうよ」
とそう言った。
俺は親父のその言葉に安心した。
もし客間じゃなかったら…
俺は天井を見上げた…
この上にある…屋根裏部屋を使わなくてはいけなくなると思ったからだ。
屋根裏部屋は、物置として使われており、片付けるのには、少々手間がかかる…し…
「今日は?」
俺は、親父の言葉のそこに注目した
「あら、その意味解らないの?まったく鈍いわね~」
母さんが、冥乃ちゃんに頬ずりしながら、親父の代わりに返事をした
「アンタは、今すぐ屋根裏部屋を片付けて、荷物を全部移動させるのよ」
俺は、その母さんの言葉に反発しようとしたが…
「それじゃ…まっ…まさっ…
雅春くんが!!可哀想です!!
私が…屋根裏部屋を綺麗にして其処を…」
冥乃ちゃんが、俺を庇おうとしてくれた…
おい…こんな風に庇われたら…
俺って凄く惨めじゃないか…
「別に良いぜ!冥乃ちゃん!俺が屋根裏部屋に移動するから…
まあ、今日は客間で我慢してくれ」
俺は啖呵をきって、親父たちに言った、だけど…
「でも…それじゃ…」
冥乃ちゃんが、心配そうにしたから
「先輩にはもっと、恩があるから、これくらいどうって事ないから!」
と俺が言うと…なんだか親父たちが微妙な顔をしたが、冥乃ちゃんは、納得してくれた。
そして、母さんは、冥乃ちゃんを連れて、客間へ案内をしに行った
親父と俺は、
「じゃあ、雅春、僕たちは、屋根裏部屋を片付けようか~」
屋根裏部屋を俺が使えるようにする為に、二階へと向かった。
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