8.先輩の妹

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「それでさ…親父…部屋は、どうなるんだ?」 やっと、落ち着いた親父たちに俺は尋ねた。 家に、人が一人増えても大丈夫なスペースは…一つしかないが… 「あの…私はどの部屋でも…御世話になる身ですし…」 冥乃ちゃんが、おどおどしながら、親父たちにそう言うが、 その様子に、母さんは…身を震わせながら… 「健気よ!!この子…可愛すぎるぐらい健気な子よ!!」 と冥乃ちゃんに抱きついた。 そして、親父は、慌てている冥乃ちゃんに、 「今日は、客間を使ってもらうよ」 とそう言った。 俺は親父のその言葉に安心した。 もし客間じゃなかったら… 俺は天井を見上げた… この上にある…屋根裏部屋を使わなくてはいけなくなると思ったからだ。 屋根裏部屋は、物置として使われており、片付けるのには、少々手間がかかる…し… 「今日は?」 俺は、親父の言葉のそこに注目した 「あら、その意味解らないの?まったく鈍いわね~」 母さんが、冥乃ちゃんに頬ずりしながら、親父の代わりに返事をした 「アンタは、今すぐ屋根裏部屋を片付けて、荷物を全部移動させるのよ」 俺は、その母さんの言葉に反発しようとしたが… 「それじゃ…まっ…まさっ… 雅春くんが!!可哀想です!! 私が…屋根裏部屋を綺麗にして其処を…」 冥乃ちゃんが、俺を庇おうとしてくれた… おい…こんな風に庇われたら… 俺って凄く惨めじゃないか… 「別に良いぜ!冥乃ちゃん!俺が屋根裏部屋に移動するから… まあ、今日は客間で我慢してくれ」 俺は啖呵をきって、親父たちに言った、だけど… 「でも…それじゃ…」 冥乃ちゃんが、心配そうにしたから 「先輩にはもっと、恩があるから、これくらいどうって事ないから!」 と俺が言うと…なんだか親父たちが微妙な顔をしたが、冥乃ちゃんは、納得してくれた。 そして、母さんは、冥乃ちゃんを連れて、客間へ案内をしに行った 親父と俺は、 「じゃあ、雅春、僕たちは、屋根裏部屋を片付けようか~」 屋根裏部屋を俺が使えるようにする為に、二階へと向かった。
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