8.先輩の妹

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「ねぇ…」 親父が料理をする為に台所に向かうと、入れ替わるように、母さんが、屋根裏部屋に入ってきた。 「雅春…あんた…さっきのあれは、なに?」 母さんが、俺をにらみつけながら聞いてきたが… 「さっきのって…なんだ?」 俺には見当もつかなかった 「部屋の件よ!先輩に恩があるから良い?そんな答えを、私は望んで無かったわ!」 急に怒り出されても… 「まだ、わかっていないようだから、言うけど!さっきのアンタの答えじゃ “俺はお前を家族として受け入れる気は無い” と考えてしまうの!理解できる?」 俺は、母さんの言葉に、大げさすぎると思ったが… 「冥乃ちゃん…少し養子の件考えさせてくれって…さっき客間で言っていたのよ…」 俺は母さんの顔を見た…呆れた顔で… 「それってさ…普通に…即二文字返事が返ってくると思ったのか?」 俺がそう言うと、母さんは、イラつくようにして 「そうよ!!そう思っていたのに… アンタのそんな考えがいけないのよ!! 普通は、もう仲良しで… あの時だって、先輩の為とかじゃなく、君の為とか言う場面でしょう?」 なんて事を言うんだこの女は… 「それでも、口説き落とす気はあるの!」 「はぁ?」 俺は、母さんの言葉にマヌケな声が出てしまった。 「なによ…あんな可愛い子を見て…口説かない方が…」 「あんたは!!妹になるかもしれない人を口説こうとする神経を疑うぞ!」 俺は、母さんの言葉を遮り罵倒したが… 「良いじゃない~萌えるシチュエーションだわ~」 と母さんは両頬を押さえてくねくね体を動かしていた… そのころ一階では… 「ごめんね…春夏が…いろいろと…昼ドラに影響されたりして…」 「いえ、私のこと…ちょっと解ってくれていますし…」 「えっ?冥乃ちゃん…雅春と妹で恋人関係を!?」 「ちっ…違います!!」 一階では…俺と母さんの会話は…筒抜けだった…orz
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