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「あの…本当に良いんですか…それ…重そうなんですけど…」
俺の部屋にある本を、ダンボールに入れながら、冥乃ちゃんは俺を見ていた。
「いや…冥乃ちゃんは、ダンボールに本を入れといて…
あと…そんなベッドの下を見なくても…そんな本…無いから…」
俺の方を見ながら…ちらちらとベッドの下に、冥乃ちゃんの視線が向かっていた。
「えっ…いえ!!そんな…」
やはり図星だったか?…いくら…本を入れとくように頼んでも…
「私は…雅春くんのそのダンボールの持ち方が気になって…
取っ手があるのに…下から腕で持ち上げるような事をして…」
俺は彼女の言葉に理解した…
まあ、家族になるんだし…話していた方が良いな
「俺、此処に引っ越してくる前に、事故にあって握力が弱いんだよ」
「だっ…大丈夫なんですか!?私が持ちます!!」
「いや、日常生活では問題ないけど…持久力が落ちてね~」
俺は、軽く笑うと、部屋の扉を足で開けようとして…足を止めた
「冥乃ちゃん、両手塞がっているから…ドア開けてくれない?」
危ない所だった。もうこの部屋は、冥乃ちゃんの部屋になるのに、足で開けるなんて…
冥乃ちゃんに失礼だ。
「あっ…はい!!すぐに開けます!!」
冥乃ちゃんはそう言って、ドアを開けてくれた
「ありがとう、じゃあ、部屋に持っていくけど…
片付けるから…ダンボールの入った本は、そこに置いていて良いよ、
あとから持って行くけど…」
「あの…このノート…本の中に入っていたんですけど…どうした方が良いですか?」
それは…先輩が俺にくれたノートだった…
日記を兼用してあり、俺はそのノートを見れずに、本棚に置いていた…
「ああ、ちょっと、このダンボールの上に置いて~」
俺はそう頼んだ…
そして、屋根裏部屋の梯子を登り…
俺はダンボールを床に置いた。
連子先輩…俺は…先輩の事を思い出した…
長い黒髪を後ろで束ねたポニーテールの髪型をし…
ブレザーの学校なのに学ランを着ていた。
出会いは…其れほど特別と言えるものじゃなかった。
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