12.片付け

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「親父…何をそんなに怒って…」 俺がそう言いかけたとき… 俺の背筋が凍った…様な気が…した… 「どうしたんだい?僕に泥棒やストーカーと思った息子よ?」 …心も読めるのですか?お父様? 「う~ん…完璧じゃないけど…雅春の場合は、考えている事は顔に出るから完璧だよ?」 土下座とかしましょうか? 「しなくても良いよ~土下座なんて~それより… ほら、ベッド持って行くから、雅継はドアを開けて」 親父はそう言いながら、俺のベッドを担ぎ上げる 「え…良いのか?俺…持つつもりだったけど…」 俺がそう言うと…親父は申し訳なさそうな顔をして… 俺は… 「別に俺の握力が弱くなったのは、親父のせいじゃねぇよ」 と言ってベッドの端を持った。 「親父はもう歳だからさ~俺も手伝うから、さっさと持っていこうぜ~」 親父は、少し苦笑いをすると… 「いい度胸だね~そんなに歳とか言うなら… 今度キャッチボールでもする?」 と清々しいまでの笑顔で俺にそう言ってきたが… 「お断りだぜ!!握力が低下してんのに、親父の球なんて受けたら…俺の顔が潰れちまうよ~」 と丁重にお断りしたが… 「大丈夫だよ~ 一撃で意識を失うから~ 眼が覚めたら鼻の骨を戻している所だよ~」 と無邪気に言いやがる!! 「ふざけんな!!一撃で鼻をへし折る球を投げる気でいたのかよ!! 鼻は麻酔が効かないから痛いんだぞ!!」 と俺が怒ると親父は笑い… 俺も其れにつられて笑った… 親父がへこんでないか心配してくれてんだな… 先輩が死んでしまった事に… 「ありがとうな…親父…」 俺は親父に聞こえるか聞こえないかの小さな声で礼を言った
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