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「親父…何をそんなに怒って…」
俺がそう言いかけたとき…
俺の背筋が凍った…様な気が…した…
「どうしたんだい?僕に泥棒やストーカーと思った息子よ?」
…心も読めるのですか?お父様?
「う~ん…完璧じゃないけど…雅春の場合は、考えている事は顔に出るから完璧だよ?」
土下座とかしましょうか?
「しなくても良いよ~土下座なんて~それより…
ほら、ベッド持って行くから、雅継はドアを開けて」
親父はそう言いながら、俺のベッドを担ぎ上げる
「え…良いのか?俺…持つつもりだったけど…」
俺がそう言うと…親父は申し訳なさそうな顔をして…
俺は…
「別に俺の握力が弱くなったのは、親父のせいじゃねぇよ」
と言ってベッドの端を持った。
「親父はもう歳だからさ~俺も手伝うから、さっさと持っていこうぜ~」
親父は、少し苦笑いをすると…
「いい度胸だね~そんなに歳とか言うなら…
今度キャッチボールでもする?」
と清々しいまでの笑顔で俺にそう言ってきたが…
「お断りだぜ!!握力が低下してんのに、親父の球なんて受けたら…俺の顔が潰れちまうよ~」
と丁重にお断りしたが…
「大丈夫だよ~
一撃で意識を失うから~
眼が覚めたら鼻の骨を戻している所だよ~」
と無邪気に言いやがる!!
「ふざけんな!!一撃で鼻をへし折る球を投げる気でいたのかよ!!
鼻は麻酔が効かないから痛いんだぞ!!」
と俺が怒ると親父は笑い…
俺も其れにつられて笑った…
親父がへこんでないか心配してくれてんだな…
先輩が死んでしまった事に…
「ありがとうな…親父…」
俺は親父に聞こえるか聞こえないかの小さな声で礼を言った
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