27人が本棚に入れています
本棚に追加
親父はベッドを屋根裏に置くと…
これくらいで疲れるなんて…
やっぱり…歳かな~なんて言いながら、部屋から出て行った。
俺に負担がかからない様に、親父が持っていたのを、わかっていたから、俺は何も言わなかった。
今日は疲れたな…
俺も同意見だった…
だから、置いたばかりのベッドの上に寝転がった…
そして…ダンボールに置いていたノートを見た。
「先輩…」
俺はそう呟くと…先輩の事を思い出した…
「おい…おい!!返事をしろよ!!ったく…
もう一度言うぞ!!俺の名前は、鷲見連子だ!
わかったら返事くらいしろよな!」
学ランを着た連子と言う奴は、これで何度目かもわからない事を俺の前で繰り返していた…
「…わかったよ…そんなに喋らなくても…一回言えばわかる」
あまりにも何度も繰り返すもんだから、俺は諦めて返事をした。
だが、それでも、鷲見連子と言う奴は、満足した様子は無く…
俺に話しかける…
何をどうしたら良いんだ…と、俺は悩んでいると
「まったく…50回続けていっても、わからないのか?」
やっと、自己紹介以外のことを先輩が話した。
「ちゃんと返事をしたのに…
止めなかったのは、アンタだろう…」
俺は、そう話したが…
「そんな事、言ってたっけ?
俺が期待した答えじゃなかったんだろう」
そんなわけのわからない事を言って…
「じゃあ…
どんな返事が良かったんですか?」
とイライラしながら俺が言うと…
奴は怒ったように、俺に指を向けると
「普通はだな!!名前を聞いたら、自分も答えるだろ?
それくらいもわからないのか?」
その言葉に…俺は…頭に手を当てた…
こんな簡単な事を…自分は忘れていたのか…
「そもそも…人が名のったら、自分も答える事を、最近の奴は…」
「月影雅継…
俺の名前は、月影雅継だ…」
ぶつくさと文句を言う先輩に…
俺は名前を告げると…先輩はニカっと笑い…
「改めまして…
よろしくな、月影~俺の名前は自由に呼んでも良いぜ~」
と言い…俺の肩を叩いた…
最初のコメントを投稿しよう!