13.先輩との思い出2

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それから… 先輩から…文芸部を紹介された… と言うことは無かった… 先輩は基本的に文芸部の部室には居ないらしい…って言うか… 今日この部室に居たのが珍しい事だったらしい… 「俺のような奴が居たら… 迷惑がかかるだろう?基本的に文芸部が休みのときに俺は部室に行くんだけどな~」 と笑いながら…俺の手を引き…町へ行くと歩き出した… 俺は…この先輩はよく笑う人だと思った…。 なんで…迷惑をかけるとか… そんな事を考えるのだろう… アンタは…充分に俺に迷惑をかけている!! そう言いたかったが… なぜか俺はその事を言えなかった… 「先輩は…なんで…迷惑をかけるとか… そんな風に思ったんだろうか…」 俺は天井に手を伸ばす… 目頭が熱い… だが…涙は出ない…まだ泣くときじゃないのだろうか… 俺は体を起こすと…窓の外を見た…日はとうに沈み… 夜の闇に包まれた世界があった… だけど… 空には月が… この暗い世界で… 紅く光っていた… だから… だろうか… 俺は… 外に出たくなった…
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