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「優依っ!」
正門前の歩道の片隅に呆然と佇む優依を見付け、急いで駆け寄った。
「ゆき……ど、しよ……」
顔面蒼白でがたがた震える優依をきつく抱き締め、「落ち着け、優依」そっと耳元で囁き、なだめるように背中をさする。
事故の相手は放心状態で車の脇に立ち尽くし、現場には人だかりがし始めていた。
愛真に目を遣れば、ぴくりとも動かない血まみれの身体に、的確な応急処置を施しながら、
「おいっ、そこもっと下がれっ。見せもんじゃねえぞ! そっちのあんた、警察呼んでくれっ」
周囲の傍観者に、指示を飛ばす涼介がいた。
そこから少し離れた歩道では、嗚咽する友季はレオンに、取り乱した広志は成矢に取り押さえられていた。
(何があったか知らないが、これだけ生徒が抜け出そうとしたんだ、後十分遅ければ、門を閉めに来た職員が足止めしてくれただろうに)
そうすればこの惨事はまぬがれたはずだが、今更悔やんでも、起きてしまったことはどうにもならない。
(今はとにかく、やるべきことをやるしかない)
遅れて校門を出て来たトーワが、すぐさま友季に駆け寄る。
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