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「さっさと道を開けろっ。救急車が通れねえだろうがっ!」
涼介が野次馬にがなった時、ちょうど救急車が止まり、救命士がガラガラとストレッチャーと共に降り立った。
説明は涼介に任せ、雪はその場を離れてトーワ達の下へ戻る。
「涼介はあのナリだ、俺が同乗して構わないな?」
愛真の血に汚れた涼介はワイシャツを止血に使ったので、上半身がインナー姿だ。
本来なら教師が同乗するべきなのだろうが、いちいち呼びに行く時間が惜しい。
優依と友季をこのまま置いて行くのも避けたいトーワは、短く頷く。
「ああ、頼む。僕はあらかたの処理をしてから行く。真悟さんにも、僕から連絡をしておくよ」
「やだっ。ゆうりも行くっ」
涙でぐしゃぐしゃな顔を歪め、必死になって、ブレザーの袖にしがみついてくる小作りな手をやんわり外し、
「友季ちゃん。大丈夫だから、後からタクシーを呼んで、優依と涼介と一緒においで」
同じように、不安でいっぱいの表情をした優依の手に預ける。
なぜ、こんな事態に陥ったのか分からないが、少なくとも現場に居合わせた以上、涼介は何かしら知っているはずだ。
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