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「よぉ、自称神っ子娘」
「なんじゃ、うつけか」
誰がうつけだ!と言いそうになったが少女のあまりの覇気の無さに口をつむぐ
頭をかきながら少女の隣のブランコに腰かける
「……勝手に儂の隣に座るな」
「他のちびっ子達は、どうした?」
少女の言葉を華麗にスルーする
少女は、ムッとした顔をこちらに向ける
やっと、こっち見たか
話をする時は人の目を見て、だな
「家来共なら家に帰った。母が食事を作ってると言ってな」
「家来共、ね……お前は帰らないのか?お前だって母親待ってるだろ?」
そこで少女は再び視線を夕焼け空に移した
その姿から何だか物悲しさを感じる
寂しさだって感じる
何だか面倒くさい事情すら感じる
「儂に帰る所も無ければ母等居らぬ」
「そっか」
「うむ」
「ならよ……うちに来るか?」
「……良いのか?」
「世話係には、ならんけどな」
そんなこんなで自称神っ子娘は俺の所にやってきた
俺は、いつだってその事を後悔する
だけど、あの泣きそうな少女の顔を見たら
結局、俺はまた同じ事を言ってしまうのだろう
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