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 次の日は嵐だった。ハナコが経験したことのない恐ろしい風が吹き、彼女の大事なつぼみを吹き飛ばそうとした。ハナコは泣きながら風に耐えた。嵐は去ったが、泣きすぎて葉っぱが一枚しおれてしまった。  次の日、ハナコが気付くと一本のツタが巻き付いていた。きっと、昨日の風に乗って、ツルを伸ばしてきたのだろう。図々しいツタは葉っぱを広げて、ハナコのおひさまを横取りしようとたくらんでいた。 「私から離れて。そんなに巻き付いたら苦しいじゃない!」 「すまないね、お嬢ちゃん。けれども見てのとおり、あたしゃ他の草に巻きつかなきゃ、生きていけないのさ」  そして、ツタは大きなため息をついた。 「あのノッポの草がいてくれたらねえ。もっともっと高いところまで、ツルを伸ばせたんだけど」  それからハナコは何度も抗議したが、ツタはまったく耳を貸さなかった。
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