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いつも同じ悪夢を観て目を覚ます…
いつも出て来るのは幼い頃の自分。
背後には
真っ赤に燃え盛る業火に焼かれた村
城すらも覆い尽くす程の炎に、必死に逃げ惑う村人たち
我が家と見られる家屋の前で
母に強く肩を抱かれ、抑えつけられながらも、何度となく去り行く父の名を叫び続ける自分…
強く、猛々しく、岩の如く大きな父の背中
その先に、相対するように見える生き物、強大な翼を持ち、鋭く尖った口からは全てを焼き尽くさんばかりの炎を吐き散らし、邪悪な微笑みを浮かべる…
悪魔?
当にそう呼んで相応しい化け物だろう
毎回、巨大な長剣を持った父は奴に向かってこう叫ぶんだ…
『仇(かたき)』、と
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