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マンションは大騒ぎだった。
何人もの警察がマスターの部屋を出入りしていた。
マンションの廊下で、堀内は刑事の一人と話していた。
「開けたら、中にあいつの死体が入ってて……それで……」
俯き震えながら、堀内は小さな声で死体を見つけた時の状況を話していた。
「マスター?マスター!」
バーのカウンターに顔を埋めるマスターを可奈子は揺すったが、反応は無い。
「あのね、死体を発見したら警察に連絡して、それから我々が到着するまでそこから動かないで下さい!」
バーに来ていた刑事と名乗った二人の男の片方がマスターに言ったが、あまり意味は無なさそうだ。
「そりゃ、友人の死体が家に送られてきたらショックでしょうけど、だからってルームシェア置いて逃げるってのも……」
刑事は溜め息をついた。
「ごめんなさい。こうなると何を言っても反応しません」
可奈子は頭を下げた。
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