二人目

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「そういえば、自己紹介がまだでしたね。俺は品川と言います。この事件担当の警部補です」 マスターに話し掛けていた方の男が可奈子に言った。 「こっちは……」 「刑事の、井上です」 品川は隣に立っていた刑事を差し、井上と名乗った彼は頭を下げた。 「可奈子です。このバーの従業員です」 可奈子も自己紹介をした。 「今は、開店の準備中ですか?すみませんが、少しお時間いただけませんか?お話を聞きたいので」 品川はカウンター席に座りながら言った。 井上も隣に座った。 「あの……この写真の男性に見覚えはありませんか?」 品川が出した写真を可奈子は見た。 「う……」 可奈子は口を手で塞いだ。 写真に写っていたのは段ボール箱から出された状態の田村の死体の写真だった。 「……あ!この人は」 可奈子はその顔に見覚えがあった。
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