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「あ、そろそろ開店の時間です」
可奈子はドアにかかっている『CLOSE』と書かれたプレートを『OPEN』に変えた。
「何か飲みますか?と言っても、カクテルを作る担当のマスターがこれだから、それ以外になりますけど」
可奈子は二人に聞いた。
「今は仕事中なので、アルコール以外のもの、ありますか?」
品川が言った。
「どうぞ」
可奈子はウーロン茶を出した。
「ところで、マスターはどんな人なんですか?」
井上が聞いた。
「マスターですか?いい人ですよ。優しくて、家族思いで…………あ!」
可奈子は慌ててマスターを見た。
幸いにも、マスターは眠っていた。
安心の溜め息を可奈子はついて、
「三ヶ月前に家族を事故で亡くしているんです。家族の話はタブーって分かってたのに……」
二人の刑事に説明した。
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