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「じゃ、そろそろ帰るから」
徳井はそう言って席を立った。
そして、可奈子にカクテルの代金を払うと、ドアに向かおうとした。
その時だった。
「徳井」
店の奥にいたマスターが突然出てきた。
「お前、人を殺してへんよな?」
そして、徳井にとんでもない事を聞いた。
「マスター?!」
可奈子は慌ててマスターを見たが、マスターの顔は本気だった。
「…………一年前の、あれか?」
徳井が低い声で言った。
「え!?」
可奈子が振り向いた時、既に徳井はバーのドアを開けて去っていた。
「……知り合い……なんですか?……マスターと……徳井さん……」
可奈子は言葉を詰まらせながら聞いたが、マスターは何も答えなかった。
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