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可奈子は追求する気にもなれず、黙って店を閉めて後片付けをした。
そしてマスターと一緒に店を出たが、別れるまでお互い無言のままだった。
自分の部屋に帰った可奈子は、ベッドに寝転んだ。
今日一日で色々な事が起こりすぎて頭の中がごっちゃになっていた。
考え事をしている間に睡魔に襲われ、可奈子は目を閉じた。
気が付けば、可奈子は浜辺にいた。
波の音が聞こえる。
「……?」
可奈子は辺りを見回した。
ここはお台場海浜公園の砂浜だ。
可奈子はそこで海に背を向けて立っていた。
「なんで……お台場に?」
可奈子は何となく振り向き、海を見た。
直後、可奈子は驚きで一瞬呼吸を止めた。
海の向こうに見えるはずのレインボーブリッジや東京都心が無かった。
そこには、水平線だけが広がっていた。
「な……ん……で……」
ショックで可奈子はほとんど声も出ていなかった。
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