37人が本棚に入れています
本棚に追加
「何奴だ…」
声は低く男だった。
俺は不審に思われてはいけないとすぐ男の前に出た。
羅『俺はただの農民です…少し疲れたので滝の水を飲もうかと…』
口から出る簡単な嘘だ…忍びだと言うことはけして話さない。
??「そうか…それはすまない。
しかし…農民にしては少々…‘血’の匂いがするのは何故だろうな…」
羅『…何の事でしょうか…』
俺は男を睨み付けた。
??「アハハ…そのように睨むな。きっと狩りでもしていたのだろ?疲れたのはお互い様だ休むと良い。」
俺は逃げる事もなく男の側に近づき腰に巻いていた布を濡らし体を拭いた。
??「あんた…子供の様な顔だが…綺麗な顔立ちだな。」
羅『…は?』
初対面に言われたのは初めてでつい気の抜けた声を出してしまった。
それに…密かに俺が気にしている事を…。
羅『別に…好きで童顔に産まれたわけではないですから。』
??『そうか?醜いよりましではないか…それに…』
男は更に俺との差を縮めた。
最初のコメントを投稿しよう!