VS狂信者

7/15
50055人が本棚に入れています
本棚に追加
/221ページ
「何故――」 問う暇すら与えず、カレルはクロウの右翼を切り落とす。 浮力を失ったクロウは重力に従い落下する。 クロウは忌ま忌ましそうに舌打ちをし、共に落下するカレルに右手を突き出し、100を越える拳大の黒球を放った。 しかし 「バァカ、当たらねえよ」 そんな挑発を放った瞬間、カレルが空中から消えた。 「なっ……!?いったいどこに――」 「わたしを忘れてないかい?」 眼下から聞こえた声に、クロウはハッとしてそちらを向いた。 その瞬間、クロウの体を銃弾の嵐が撃ち抜いた。 それによりバランスを崩したクロウは、背中から地面に衝突する。 「くっ……人間風情が……」 クロウは体中から流れる血に顔を歪めながら起き上がり、カタリナを睨む。 すると、その横にはカレルの姿があった。 「……何をした?」 その問いに、カレルは不敵な笑みを浮かべた。 「バグラムの能力が追尾型の火弾って誰が言ったよ」 「違ったの!?」 クロウより先にカタリナが食いついた。 そんなカタリナに、カレルは苦笑して言う。 「お前が驚くのかよ。 いいか?魔道具の能力ってのは、魔力を消費しねぇもんなんだ。 でも、バグラムの弾は俺の魔力で出来てる。 つまり、能力じゃねぇってことだ」
/221ページ

最初のコメントを投稿しよう!