2人が本棚に入れています
本棚に追加
会議は無駄な口論を永遠と繰り返し、何も決まらないまま終わりを告げた。
青年は時間を無駄にした。と思いながら会議にたいして使われなかった資料をサッと纏め、短いが綺麗な黒髪を靡かせながら颯爽と会議室を出ていく。
彼の名は、セイル・エルマル。齢二十にして大佐の地位である。
「何か決まりましたか?セイルさん」
壁にもたれていた青年が、セイルに話し掛けてきた。忠犬を思わせる仕草でセイルの後に付いていく。
セイルは首を横に振ると、溜め息混じりに言った。
「そのうち、出動命令がくだるだろうな」
「あー、やっぱりぃ。」と忠犬くんは苦笑いを浮かべながら言った。彼等にとって、会議でうやむやになった案件の処理は日常茶飯事になっている。
「レム、しっかり用意しておけよ。」
「はーい、セイルさん!」
忠犬くんこと、レム・ハイレンは元気よく返事した。
最初のコメントを投稿しよう!