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「とにかくすぐにメシエに向かいましょう」
私はがっくりと肩を落とすハーンを叱咤するように言いました。同時に自身の心も奮い立たせました。とにかく彼の元へ行かねば、という気持ちが絶望を拭ったのです。
私は命と同等に大切な竪琴一つ脇に抱えると馬に飛び乗り、ジオンの待つメシエ国へと走らせました。
六日間馬を走らせ、私はメシエ北部、テディに到着しました。
ジオンが住う城は大理石の壁の美しい城で、深緑の森に佇む姿はさながら貴婦人のようでした。ザイオンが最後に建てた王宮で、自らの名を取って<ジオール宮殿>と名付けられておりました。
「ジオン」
風の通る気持ちの良い部屋でジオンは寝台に横になっていました。
私が声をかけると印象的なサファイアの瞳がこちらを覗きました。
「レヴァノか、間に合わないかと思ったぞ」
ジオンはそう笑って言いました。
「冗談は止してください。ハーン殿から聞いた時、息が詰まりましたよ」
「古傷が老体に応えたようだ」
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