281人が本棚に入れています
本棚に追加
気まずい沈黙の中歩き続けると、ようやくその村に到着した。
「っ着いたー!」
開口一番にはその言葉。
見えてはいたのだが意外と距離があったのだ。
グレンとは先程から会話をしていない。シアは苦虫を噛み潰したような表情を浮かべ、後ろを歩く彼を見つめる。
その視線に気付いたのか、グレンは無理に笑ってみせた。
「宿、探すか」
何だろう、この気持ちは。
胸の奥に燻ぶっているこの気持ち。
いつも自分に向けられていたような敵意ある視線ではない。そうではないが、良いものと言うわけでもない。
二手に別れ宿を探すという事になり、道を1人で歩いていたシアは重々しく息を吐いた。
「……なんなのよ……」
最初のコメントを投稿しよう!