Darkness‐闇‐

3/21
前へ
/447ページ
次へ
  気まずい沈黙の中歩き続けると、ようやくその村に到着した。 「っ着いたー!」 開口一番にはその言葉。 見えてはいたのだが意外と距離があったのだ。 グレンとは先程から会話をしていない。シアは苦虫を噛み潰したような表情を浮かべ、後ろを歩く彼を見つめる。 その視線に気付いたのか、グレンは無理に笑ってみせた。 「宿、探すか」 何だろう、この気持ちは。 胸の奥に燻ぶっているこの気持ち。 いつも自分に向けられていたような敵意ある視線ではない。そうではないが、良いものと言うわけでもない。 二手に別れ宿を探すという事になり、道を1人で歩いていたシアは重々しく息を吐いた。 「……なんなのよ……」  
/447ページ

最初のコメントを投稿しよう!

281人が本棚に入れています
本棚に追加