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酷く、雨が降っていた。
その雨の中、佇む影が1つ。
「もう……ここには戻らない」
悲しげな瞳でそう呟いた影は、その場から背を向け歩き出す。
その、次の瞬間。
激しい爆音と共に、その場から火が燃え上がった。
その火が映したモノは、悲しみが滲んだ女の姿。
女はその燃え上がる炎を振り返り、目元に悲しみを滲ませた。
「さようなら」
そう言うと女は再び歩を進め、二度と振り返る事はなかった。
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