281人が本棚に入れています
本棚に追加
/447ページ
「……は!?」
僅かな沈黙の後、グレンが驚きに満ちた声を発し肩越しに背後を振り向くと、やはりそこには笑顔を浮かべているナギの姿。
ナギは笑みを崩す事無くグレンに歩み寄ると、その口を再び開いた。
「あ、俺も行くから。なんか面白そうだし」
最早決定事項、らしい。彼にとっては。
グレンは己の身体から全ての力が抜けたような気がした。
一方のルイは冷静そのもの。軽く嘆息すると、その瞳をグレンへと向ける。
「お前とその少女が良いと言うのであれば、同行させて貰いたい」
その言葉にグレンは腕の中のシアを見る。
「いや、まぁコイツは大丈夫だろうけどさ……」
シアが嫌というわけがない。
短い付き合いではあるが、そこは確信出来る。だがしかし。
一旦言葉を切り未だに笑顔のナギをジト目でねめつける。
ナギはそれに対し、一瞬その瞳を覗かせると再び眦は笑みを象った。
「いいじゃん、綺麗なお嬢さんともっといたいし」
何の悪びれも無く堂々とそう言ってのけたナギに、グレンは今度こそ脱力した。
最初のコメントを投稿しよう!