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何度も言うだろうが、いくら収入がよかろうが毎日こんなパトロール的な仕事だけじゃ気が抜ける。
かといって事件でも起こされても困る。
ま、平和が一番ってところで―。
一端、着陸地点へとインスパイアを下ろしたところで向こう側から似たような人型兵器が肩を並べた。
同じく人型をした機体だが、踵部分と肩にタイヤらしきものがついている。
これは可変機体“フォーミュラ”である。
F1を象った変型する機体で、現在はこうして人型の形を保っていた。
『異常はないか?』
《ない、あったら即座に知らせるのが普通だろ?》
『ま、そうだが』
ヘルメットを取ってコックピットハッチを開くルークにフォーミュラのパイロット、ロイも揃って行動する。
足をかける部分とワイヤーをとって機体からそれぞれ下りる。
『現時点で問題なし―。ニーズヘッグは?』
『待機命令にある』
『よし』
そう言って、短髪のロイはパイロットスーツの懐から煙草を一本、口にくわえた。
彼もルークと同じ20代ではあるが、ロイのこんな行動にはいつも嫌々になる。
『また煙草か、任務中だぞ?』
『一本。一本だけだって―。』
…ふぅ全く、変わらん奴だ。
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