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綺麗な青空を煙が汚すようでルークにはあまりいい気持ちにはならなかった。
『そんなに嫌いか?煙草…』
『お前が嫌いだよ…』
煙草は本当に嫌いだけどな。
こうして煙草の煙に混じった雲を眺めていると、何だか平和だなと思ってしまう。
何も起こらない方がいいといえばそりゃそれがいい。
まぁここ数年、何も起こってはないんだがな。
ふとこれからの予定は、と思ったりもしたが式典の一番のメインイベントがあるだけで順調だ。
『どうしたルーク―。』
『…ん、あぁ何でもないよ』
あるがな。
『なぁロイ、お前は新型の護衛任務のメンバーだったか?』
『…いや…違うが、お前は?』
『一応ここで待機。どうせ何も起きやしないがな』
『いやいや仮にトラブルがあったとして、お前のその機体なら大丈夫だ』
そう言われて上を見上げる。
“インスパイア”
『…確かにな』
この機体があれば多少のトラブルは防げる。
多少…な。
インスパイアの後ろ、やはり空が気になる。
文句なしの快晴なんだが…
軍人の勘か…
『…』
さて、どうしたものか―。
確かに空は文句なしの快晴だった。
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