プロローグ

9/9
205人が本棚に入れています
本棚に追加
/859ページ
『でこっぱちじゃないッッ!』 どん、とリンクの両肩を力いっぱいに押した。 『!』 リンクは尻餅をついて、飛び掛かろうとする。 『女のくせに…』 『いい加減にしろ、二人共』 『だってよぉ!手ぇ出したのはでこっぱちだぜ!』 『だってっだってリンクが!』 でこっぱちって、と言おうとしたがガイがそれを止めた。 『だってじゃない、手を出すこと自体よくないぞイリーナ』 『…だって…』 『それにリンク、この発端はお前だ』 『ッッ…』 けっ、とリンクはヘルメットを抱えて格納庫出口へと足を乱暴に運ぶ。 『……全くお前らときたら…』 『…だって…』 『行くぞイリーナ、時間だ』 式典のメインイベントの時間だ。 作戦開始。 ガイはイリーナにヘルメットを渡す。 『任務に失敗は許されないぞイリーナ』 『…分かってるもん』 『頼むぞ』 そう言って―。 格納庫を出るともう、空には花火が上がっていた。 式典のムードは最高潮。 これからメインイベントが始まるから当たり前だ。 これでいい。 これでなければ… “やり甲斐がないじゃないか”
/859ページ

最初のコメントを投稿しよう!