第一章

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俺の名前は黒鉄弥生。(くろがねやよい) 正直言って自分の名前は嫌いだ。 梅雨入り前の暖かな空気の中、終ホームも終わって学校という監獄から解き放たれ気持ち晴れやかに帰る学友達とは正反対に不機嫌そうにそんな事を思っていると、後ろから誰かが話しかけて来た。 「姫!、今日新しい台が出るらしいからゲーセン行くよな?」 今へらへらと爽やかスマイルで話しかけて来たのは俺の幼なじみであり悪友でもある川野辺満(かわのべみつる)である。 そして、満が何故俺の事を姫と呼ぶのには深いわけがあるのだが、それこそが俺が自分の名前が好きになれない最大の理由でもあったりする。
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