第一章

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そもそも何故姫と呼ばれるようになったかと言うと、忘れもしない小学校六年生の歴史の授業。 その時習っていたのが弥生時代だった。 そして俺の名前が弥生ってだけで卑弥子様と呼ばれ、最終的には姫!姫!と呼ばれるようになったのである。 ヒーローに憧れる小学生男子には、姫と呼ばれる事は苦痛でしかなく、学校もサボりがちになったほどのニックネームをつけられるはめになったこの名前は、案の定嫌いになった。 そして、その屈辱的な呼び名は時を越え今も使われ、俺の頭を悩ます原因の一つになっている。 「おう。当たり前だ。行くに決まってんだろ」 そう言うと弥生は鞄を手にとる。
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