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ギコ「さて、どのへんがいいかゴルァ?」
しぃ「うーん、あそこの台座でいいと思うよ。」
二人は台座の前でひざまづいた。
ギコ「じゃあしぃ、出してくれ。」
しぃ「うん。」
しぃが取り出したのは―――
…花と線香?
しぃ「ギコ君、火をお願い。」
ギコ「ん。」
ギコは線香に火を付けた。
しぃ「…こうでいいのかな?」
ギコ「まあ、こういうのは気持ちの方が大事だろゴルァ。」
ギコとしぃは花と線香を台座の前に置いて、手を合わせた。
ギコ「シーン…元気かゴルァ? 無事に戦いを終わらせてきたぞ。」
しぃ「私たち…頑張ったよ。」
なるほど、シーンの墓参りだったか。そういやろくな弔いをしてやれなかったからな。
しぃ「…それと、私はギコ君と結ばれる事になりました。」
ギコ「…改めて、全力で護ることをここに誓うぞゴルァ。」
…結婚の報告も兼ねて、か。
ギコ「…安らかに眠れゴルァ。」
しぃ「これからも私たちを見守っててね。」
ギコとしぃは黙祷を始めた。
『(…よく…頑張ったな。)』
しぃ「な…何か聞こえなかった!?」
ギコ「ああ…聞こえたというより頭に言葉が浮かんだ感じだなゴルァ?」
俺もそんな感じがした…。
しぃ「もしかして、シーンが話しかけてきたのかな?」
ギコ「…きっと、シーンは見ててくれてるんだなゴルァ。」
しぃ「うん、きっとそうだよ!」
そう…かもな。シーンは、まだここにいるのかもな。
ギコ「じゃあシーン、そろそろ俺たちも帰るぞゴルァ。」
しぃ「元気でねー!」
二人は祭壇に手を振り、来た道を戻り始めた。
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