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それからしばらくして、レンちゃんは学校にも通い、バイトにも復帰し始めた その日は祝日で私は久々にレンちゃんが働く靖弘さんと圭さんのお店に顔を出した レ「いらっしゃいませ…!先生」 レンちゃんは仕事をしていた。 ちゃんと、前に進もうと…そんな想いを感じてとても逞しく思った。 心君が帰って来た時の為にと毎日練習していた彼女の料理も、今ではお客に振る舞う程になっていた 圭「最近は接客だけじゃなく、厨房の方も手伝ってくれるのよ」 そう嬉しそうに、働くレンちゃんを見ながら話す圭さん 彼女が背負った悲しみは計り知れないけれど、圭さんや靖弘さんも彼女を大事に支えてくれるおかげで、彼女は自分の居場所を確かに実感することが出来ていた 美「私も何かレンちゃんに作ってもらおうかな」 レ「え、あ…はい!」 少し照れ臭そうに返事して、お水とメニューを私の席へ置くレンちゃん 本当に、近頃は色んな表情を見せてくれるようになった。 なんて…強い子なんだろう…。 不意に別の席で客同士のもめ事が始まった 状況は直ぐに理解できる。 一人は何度か見覚えのあるこのお店の常連さんで、もう一人は片言の言葉を話す彼の国の軍人 此の国が戦争に負けて以来、様々な街に軍事拠点を置く彼の国の兵士達 勝利を収めた彼等は、至る所で横暴な態度を振るい…此の国の人達は自国で肩身の狭い思いをしていた。 だから、こんな場面はよく目にしていた 必死に靖弘さんと圭さんが二人を宥めに入る レンちゃんは少し怯えながら、その光景を動けずに見ていた 靖弘さん達の説得とは裏腹に、加熱していく彼の国の軍人と此の国の民間人の喧嘩 もう放っておけない状況で、私も彼等の仲裁に入ろうと立ち上がった瞬間… 「「―――!!」」 民間人の男性は取り乱して靖弘さんを力強く押し倒した 私と圭さんは急いで倒れ込む靖弘さんのもとへ駆け寄った 周りの客達は余りにも激しい喧嘩に狼狽えるばかり…。 美「ちょっと!!あなた達いい加減に…ッ!!!!」 この状況に動揺して二人を見上げた私は…自分の身体が硬直した事に気付いた 静まり返る乱れた店内 目が血走っている彼の国の軍人は…男性に自分の拳銃を突き付けていた ――――響く発砲音 頭から血を流し倒れ込む…… 美「レンちゃんっ!!!!!」
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