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僕達は、少し歩いた先にある防波堤との合間の階段に腰を下ろした
肩が触れ合う距離…
僕はなんだかいつもみたいに上手く話せない
緊張してるのかな…。
そんな事を考えてたら、そっとレンが言った
レ「心…ありがとう」
心「ん?」
レ「帰って来てくれました」
心「あ…当たり前だよ!僕がレンの事忘れるわけないだろ!!」
レ「そうじゃないです…。
そうじゃなくて…」
心「え?」
レ「生きててくれて……生きて帰って来てくれて……ありがとうございます」
そう言って…君は、僕の胸に顔を埋めた
レ「もう……っ、泣いても…いいですか?
私…自分に約束しました。心が帰ってくるまで泣かないって…。
そうじゃないと毎日が不安で…
ずっと、ずっと……ッ!
心が帰って来たら、ちゃんとおかえりなさいを言えるように…我慢しました…ッ!!!」
心「―――レン」
顔を埋めたまま、君は声を殺して泣いた
僕の袖をぎゅっと掴んで…震えを堪える様に泣いてた
心「……レ…ン。
心配かけてごめんね」
相変わらず顔を上げないまま、君は首を横に振った
心「―――レン」
僕は君の名前を呼ぶ。
君はゆっくり、顔を上げる…。
その泣き顔に、僕は……もう二度と君を離さないと強く思った
心「……ただいま」
レ「ゥ"ウ....ッ!!お帰りなさい……っ!」
ずっと…長い間つらい思いをさせてごめん
寂しい思いさせてごめん
独りにさせて…ごめん
毎日不安だったよね…
これからはずっと君の側にいる
一生かけて償わせて……そして
レンを幸せにする
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